それはさておき

脱力して生きていきたい

子宮筋腫 手術体験記1~事のはじまり

 

事の発端

元々胎の中に異物があるのはわかっていた。「3センチ」「3.5センチ」、いきつけの婦人科で子宮がん検査をするたび、筋腫が今どのくらいの大きさであるか医者から報告を受けていたからだ。
 
その医師は大きさを告げるだけで、他は何も言ってこなかった。筋腫はとりあえず腹の中に置いておいても問題ない、という薄い知識しか持たない私が3.5センチと言われて何を判断できるわけもなく、「そうですか、わかりました」と返事をし、桂枝茯苓丸(婦人病に効く漢方薬)だけ処方されて帰る流れを数年繰り返していた。
 
その行きつけ婦人科が閉院し、別の婦人科で検査を受けた際、現状が判明する。股間をのぞき込んだ医師が「ちょ、これ、見えなっ。邪魔じゃないですか?」と大いに焦ったのだ。エコーで確認すると10cm以上の影が確認された。生理痛で死ねるとか出血多量で貧血といった巨大筋腫にまつわるサインがなかったがため、すこやかに育ってしまっていたらしい。医者から早急にMRIをとるように指示され、予約をした。
 

自覚症状

私は生理の日数が短いうえに出血量も少なく、逆に軽い質でよかった、とすら思っていたほどの人間である。生活に支障がない場合、大きくなっても本当に気づかない。
 
あとから思い返せば笑ったときに尿漏れを起こしていたのは筋腫の影響であった。肉の塊である筋腫と中が空洞で収縮する膀胱のどちらが強いかと言えば、筋腫である。体内のおしくらまんじゅうで膀胱が負けることは必然であり、年齢のわりに尿漏れが起きている異常事態に心を配っていれば、もっと早くに判明していたかもしれない。ライナーはびっしょりなのに出た感覚がないときもあった。おそらく筋腫の圧に押されて漏れ出ていたのだろうが、当時はおりものだと思いこんでいた。
 

MRIを受ける

エコーの次に、全体像の把握や悪性ではないかを確認するためMRIを受けるように言われる。医院に設備がなかったため、提携しているセンターを紹介された。費用は3割負担で1万円弱。MRIは腹部だけなので、頭部が開放されている分、圧迫感など不安になるようなこともなく気楽に受診できた。造影剤という注射を打たれたが、金属アレルギーがある人はまれに合わないことがあるとのことだった。
 
結果、15cmほどの筋腫が鎮座していることが判明。それでも生理に影響がなかったのだから、よほどベストポジションに収まっていたのだろう。
 

リュープリン注射(3.75mg)で生理をとめる

敵の正確な情報がわかったところから治療開始である。私の場合は巨大すぎてこのままでは手術できないということで、まずは注射で生理を止めて小さくするところから始まった。子宮筋腫は女性ホルモンの影響を受けて大きくなるため、一時的に閉経状態にすることで小さくなる可能性があるとの話だ。手術については話がでていないので、今のところ未定。新型コロナの影響で仕事も余裕があるし、長期休暇するタイミングとしては悪くなかった。
 
生理開始1~2日目から打ちはじめて、2回目以降は4週間に1度打つ。1スパン最大6回まで注射し、小さくならなければインターバルを置いて再度ということになる。3割負担で1本8,000円くらい。こんなに高いことを知らなかったので、会計のときは冷や汗をかいた。
 
注射を打つ場所は上腕、腹部、臀部のいずれかである。私が行った医者は幸い腕だったが、何が起きるかわからないのが世の中である。念のため尻は断固拒否をする意思を伝えた。同じくホルモン療法をしている人からすごく痛いと聞いていたため相当な覚悟を持って臨んだのだが、1回目は拍子抜けするほど何ということはなかった。看護師さんいわく、もみ込むのではなく徐々に吸収されていくのを待つため、薬がたまっている患部を触るほうが痛いとのことだった。つまりすごく痛いと言ったあの人は尻注射だったのだろう。座るたびにかかる圧力で苦悶の表情になっている顔が目にうかぶ。
 
生理が止まるのは2回目の注射以降らしい。これから夏に向けてムレる心配がないのは大変助かるが、気になるのは更年期の症状である。生理を人工的に止めることにより、副作用として症状が出るそうだ。
 

放置して手術しないとどうなるか

下から確認して筋腫が3cmを超えていたら、エコーで腹側から見てもらうことをおすすめする。筋腫自体は放っておいても大抵の場合は問題ないが、本来体内には存在しない異物である。あまりに大きいと付近にある膀胱や腸といった元々収まっている臓器に悪影響がでることは、私の尿漏れからもおわかりいただけるだろう。この数年後、別件で大腸内視鏡検査を受けることになるのだが、もしそのときまで子宮筋腫を残していたらカメラを通すことが困難だったかもしれない、と医者には言われた。
 
筋腫は当然立方体なので、見る場所が変わればサイズも変わる。この当たり前のことに思い至らなかった自分ののんきさを後から悔やんでも遅いのである。エコーの結果、とりあえず様子見でよければそれにこしたことはないし、気になっていることを告げても医者が診てくれないようなら、いっそセカンドオピニオンを考えてもよいと思う。
 
エコーを取るたび、医者と「どうしてこんなになるまで放っておいたの。妊娠5か月の腹だよ」「太ったので腹の肉だと思っていました」というやり取りを繰り返しているので、治療後に5か月のままの腹を見て医者が何と言うか今から楽しみである。
 
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